| そのときでは遅いのです |
「誰に、どの財産を残すか?」から
「どのように相続人に財産を与えるか?」へ
つまり、信託という新しい道具を得たことで、マリリン・モンローのような相続争い(1962年から2008年まで遺言書に関しての裁判が行われた)から開放され、マイケル・ジャクソンのように“盲点の少ない相続対策”を行うことができるようになったということです。
はじめに
現在の相続税法が施行されてから、世の中では「財産信託法が84年ぶりに改正されたことで、ようや<日本でも米国並みの相続対策を利用できるようになりました。
は3代でなくなる」といわれていますし、事実それに近い状況であることは事実です。
このため、多くの人々がこぞって相続税対策のみに奔走し、これを悪用して儲けようとする人々まで現れてきました。
これによって、相続税はずいぶん軽減されたのは大きな効果であると評価はできますが、肝心の相続が発生した後の分割に関するトラブルはかえって多くなってしまいました。
また、国も税収の減少に歯止めをかけるため、対象者の少ない相続税を増税しようとして、年内にも改正案が可決されてしまうと予測されています。
このような複雑な状況は、これまでの相続に関する法律には限界があるということにほかなりません。
物と金を残し、その処理を後世にゆだねるというやりかたではなく、これまで頑張って財産を築き守ってきた人が、家族のために「心」を相続する必要があるのではないでしょうか。
信託による相続対策は、これまでのような相続税対策ではなく、財産の分割と税金の事を生きているうちに総合的に考えておこうとするものですから、税対策のみをお考えであれば、税理士等にご相談されることをお勧めします。
信託の始まり 昔、イギリスにお爺さんと孫娘が2人仲良く暮らしていました。孫娘は早くに両親を亡くしていたからです。しかし、最近お そこで、お爺さんは友人に対し「自分が死んだら財産を預けるので、この中から毎年孫娘に生活費を渡してほしい。」と依頼を この友人は、確実にお爺さんのことぱを実行し、孫娘は幸せな人生を送ったとのことです。 これが、信託(この場合は遺言信託)の始まりとされています。 |
− 目次 ―
1.遺言書に欠けている機能とは
2.信託のニーズ
3.信託の基本形
4.信託と遺言書の関係
5.遺言書と信託のメリット、デメリット
1.遺言書に欠けている機能とは
遺言書最大の欠点は、「遺言書では、指名された相続人が一括で財産を受け取れる」という点にあります。
本来なら、財産の受け取りには何らかの条件があってしかるべきであると考えられます。
たとえば
○時期に関する条件
年齢など
○金額に関する条件
毎月の受け取り金額など
○回数に関する条件
一定期間単位で分割受け取りなど
○使用目的に関する条件
病気やケガ、子供の進学や家の新築など
上記の事柄は、遺言書で指定することは不可能です。
つまり、遺言書は「誰にどれだけの財産を与えるか」しか指定できないのです。これが、日本の相続対策の盲点となっていたのです。
財産を受け取ってしまえば、その使用については全く制限がない。したがって、過去にはこれを避けるために共有名義による相続を行ったケースがありますが、実際の処分時に大きなトラブルになるなどの問題点が発生していました。
だからこそ、遺言書の補完機能を持たせるために、信託を活用してトラブルを防ぐことが必要と考えられているのです
2.信託のニーズ
遺言書では解決できない、相続に関する条件付けという働きを付け加えるのが信託といえます。
特に不動産は遺産分割協議書が整って、初めて受け取ることができるようになるので、非常に時間と手間がかかるものなのですが、「信託」の利用によって、受取人は遺言書とは無関係に、すぐに利用することが可能になります。
●条件を付けて、財産を渡せること
●すぐに財産を利用できること
この2点が信託最大のニーズであるといえます。
今後、日本の相続対策の中心が、「遺言書の時代」から、「遺言書+信託の時代」へと移ってゆくことは間違いがありません。
3.信託の基本形




「家族内生前(遺言代用)信託」のしくみ
@【委託者が生きている間】
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(信託の設立者) (信託の管理人) (信託の受取人)
御主人 奥さん 御主人

A【委託者が死亡した後】
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(信託の設立者) (信託の管理人) (信託の受取人)
御主人 奥さん お子さん(奥さん)


参考:【受益者の死亡による受益権の移転指定(受益者連続型信託)】
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お子さん お孫さん ひ孫さん
例:一般の相続では、受益者①であるお子さんが死亡された場合、その配偶者に財産が渡り、財産の処分は配偶者によって可能となる。信託では、受益権の移転指定により直系尊属のみに財産の移転が可能となる。
4.信託と遺言書の関係
信託と遺言書は、完全に補完関係を持つ。また「生前信託」では、契約書により設立されるが、基本的に遺言書を伴う。

相続対策とは、できるかぎり自分の考えを反映させて、財産を贈ることが目的ですから、「遺言書」と「信託」という道具の“いいとこどり”をすればよいということになります
5.遺言書と信託のメリット、デメリット
○メリット
・遺言書
相続(遺産分割)において、相続人間で問題が出ない場合は、相続の終了で全ての処理が完了する
・信託
遺言書で指定できない受益の時期や理由、使用方法などを指定できるため、委託者の意思が強く反映される
○デメリット
・遺言書
財産を一括で受け取り、名義が相続人に変わるため、法的権限は相続人のみに帰することから、被相続人の意思は財産分割方法のみに限定される
・信託
@受益者連続型信託では制限や制約が無視されるため、相続税の課税対象額が増加する可能性がある⇒受益者連続型信託を選択しなければ問題はない
A生前信託において、委託者兼受益者が死亡した場合は、死因贈与(遺贈)とされる
⇒財産の種類等で異なるため、信託財産の詳細な検討により対処可能
・共通
遺留分には対処する必要がある
